ご挨拶

良好なQuality of lifeをめざした診療および研究、
グローバルな医師の育成に努めています。

九州大学大学院医学研究院小児外科学分野教授 田口 智章

我々は「こどもを安心してまかせられる外科医」をモットーとし、小児の手術を必要とする病気を広く取り扱っています。対象年齢は胎児(出生前診断例)から18歳までが主な対象ですが、小児外科特有の病気は成育外科として大人になっても診ています。

社会的なニーズとしまして、少子高齢社会において、少ない子どもをいかに社会に貢献できるように育てるかというのが使命と思っています。Intact survivalを大前提とし、良好なQuality of lifeをめざした小児外科の診療および研究、小児外科をめざす新進気鋭のリサーチマインドをもったグローバルな青年医師の育成に努めたいと思っています。

我々が対象とする疾患は小児の外科的疾患で、新生児外科、小児肝・小腸移植、小児消化器外科、小児呼吸器外科、小児がん、小児泌尿器外科、小児鼠径部疾患(鼠径ヘルニア、陰嚢水腫)など、手術数は年間600例程度です。

九州大学小児外科は1976年10月に診療科としてスタートし、1979年10月に我が国の国立大学のなかで最初の小児外科学講座になりました。 初代教授は池田恵一先生(九州大学名誉教授)、二代目教授は水田祥代先生(九州大学名誉教授、現福岡学園理事長、前九州大学理事・副学長・九州大学病院長)で、私は三代目になります。

1989年10月から九州大学病院周産母子センター(2008年4月より総合周産期母子医療センター)が発足し、その一翼の新生児外科部門を担当しています。出生率低下に拘わらず新生児外科症例数は増加していますが、死亡率は年々低下し現在10%以下になっています。そのなかで未だ死亡率が高い疾患が横隔膜ヘルニアです。我々はその生存率をあげるべくgentle ventilation、HFO、NO、ECMOなど集学的治療により生存率の向上が得られています。最近12年間(2004-2016)の90例で横隔膜ヘルニア単独例の生存率率は92.5%と世界に誇れる成績です。

小児肝臓移植は消化器・総合外科と合同で現在まで107症例に対して109回(2017年11月現在)に実施し、長期生存率は90%と良好な成績です。小腸移植は脳死移植認定施設に承認されており、九州で初となる脳死ドナーからの小腸移植を行いました。

小児がんは2013年に九州沖縄ブロック唯一の小児がん拠点病院に指定され、手術を含めた集学的治療や新規薬剤の治験等も積極的に行ってます。またがん相談支援など患児のQOL向上にCLSなどチーム医療で対応してます。

小児消化器難病のヒルシュスプルング病類縁疾患は2013年から厚生労働省の研究班として全国の症例の集積し、診断と治療に関するガイドラインを作成しました。治療成績は徐々に向上しています。わたくしのライフワークとして全国および海外からも病理診断を含めて数多くの相談を受けています。

ジャパンハートの吉岡秀人先生と連携してミャンマーのヤンゴン小児病院で肝胆道系の高度手術(胆道閉鎖、先天性胆道拡張症、肝芽腫など)の手術支援を行っています。さらに肝移植を立ち上げるべくプロジェクトを進めています。またカンボジア小児外科学会にも若者が毎年参加して演題発表してます。開発国の支援に興味ある若者は大歓迎です。

新規治療として乳歯歯髄幹細胞(SHED)を使った幹細胞治療を開発しています。SHEDは間葉系幹細胞で細胞分裂能や免疫寛容性が優れているので、肝不全や代謝性疾患や血友病、さらにヒルシュスプルング病類縁疾患の治療として臨床応用を目指しています。

はじめて小児外科を受診するかたもセカンドオピニオンで受診するかたも、広く受け入れておりますので、どうぞ気軽にご相談下さい。もちろん急患は24時間対応できる体制を整えています。

教授略歴
昭和54年(1979)3月
九州大学医学部卒業
昭和54年(1979)6月
大分県立病院研修医(外科)
昭和55年(1980)4月
九州大学附属病院研修医(小児外科・救急部)
昭和56年(1981)4月
九州大学大学院外科系(病理)入学
昭和60年(1985)3月
同上 修了(医博 甲640号)
昭和60年(1985)4月
九州大学附属病院医員(小児外科)
昭和62年(1987)4月
九州大学助手(小児外科)
昭和62年(1987)10月
カナダ国マックギル大学・モントリオール小児病院 Postdoctoral fellow
平成7年(1995) 4月
九州大学講師(小児外科)
平成9年(1997)3月
文部省在外研究員 (ピッツバーグ小児病院移植外科Visiting fellow)
平成10年(1998)10月
九州大学助教授(周産母子センター)
平成18年(2006)1月
九州大学大学院医学研究院 教授(小児外科学分野)
平成18年(2006)4月
九州大学病院MEセンター長
平成18年(2006)4月
九州大学病院小児医療センター長(~平成20年3月)
平成19年(2007)4月
九州大学病院周産母子センター長(~平成20年3月)
平成20年(2008)4月
九州大学病院総合周産期母子医療センター長(~平成21年3月)
平成22年(2010)4月
九州大学病院小児医療センター長
平成25年(2023)4月
九州大学病院総合周産期母子医療センター長

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