臨床研究

新生児先天性横隔膜ヘルニアの患者会・家族会に対するニーズに関する研究

1.臨床研究について
 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院小児外科では、現在先天性横隔膜ヘルニアの患者さんとそのご家族を対象として、新生児先天性横隔膜ヘルニアの患者会・家族会に対するニーズ関する「臨床研究」を行っています。
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2025年3月31日までです。
2.研究の目的や意義について 
 新生児横隔膜ヘルニア(以下CDH)は、日本での年間発症数が約200例の希少疾患であり、生存率は約80%に留まる予後不良な疾患です。また、長期的な障害が残存することもあります。
 長期的なフォローが必要である本疾患において、患者・家族同士の情報共有や協力体制が築ければ、児のQOL向上につながる可能性がありますが、現在、国内では本疾患の患者会・家族会は発足したばかりであり認知度は低い状況です。本疾患の疾患原因ならびに新たな治療法の開発も課題ですが、患者・家族会が活性化することは患者とその家族の精神的支えや情報交換などの観点から非常に有用と思われます。しかし、患者や家族が患者・家族会に何を求めるのか、日本で患者・家族会が必要とされているのかに関する報告はありません。そこで患者会・家族会に対する需要を調査し、研究協力施設全体で先天性横隔膜ヘルニア患者・家族会を支援することを目的とし、本研究を計画しました。
3.研究の対象者について 
 1995年1月1日~2019年12月31日の期間に出生し、九州大学病院小児外科および共同研究施設において横隔膜ヘルニアの診断で加療を行った方が対象です。
 研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。
4.研究の方法について 
 対象者本人あるいはその家族に本研究に関する説明文書とアンケート調査票を送付します。アンケートの返送をもって、本研究への参加について、同意を得たものとする旨を明記し、返送されたアンケート調査票の情報をまとめます。返送されたアンケート調査票は鍵のついた保管庫に保存し、抽出された情報は、各研究協力施設から九州大学へ送られ、一つにまとめられ解析・共有されます。
 解析データを用いて、患者・家族会への需要を明らかにし、患者会の活動を支援するための情報とします。また、必要に応じて学会報告や調査書を作成し、先天性横隔膜ヘルニア患者・家族会へも情報提供します。他機関や患者会への情報の送付を希望されない場合は、送付を停止いたしますので、ご連絡ください。
また、アンケート調査で患者会の運営に関する支援を希望していただいた方には、患者会代表者の連絡先やホームページを紹介し、ホームページサイト内にある患者会に関する問い合わせフォームの情報を提供することがあります。
 〔取得する情報〕
 患者会・家族会に求めること(需要)の調査、患者会参加希望の有無
5.個人情報の取扱いについて 
 研究対象者のアンケート調査結果をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学分野 教授 加藤聖子の責任の下、厳重な管理を行います。
 ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。また、研究対象者のアンケート調査結果を各研究協力施設へ送る際には、九州大学にて上記の処理をした後に行いますので、研究対象者を特定できる情報が外部に送られることはありません。
6.試料や情報の保管等について 
 この研究において得られた研究対象者の情報等は原則としてこの研究のためだけに使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野において九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学分野 教授 加藤聖子の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
 また、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。
7.利益相反について 
 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は公的資金(厚労省科研費、部局等運営費)であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
8.研究に関する情報や個人情報の開示について
 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
 また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。
9.研究の実施体制について 
この研究は以下の体制で実施します。
 
研究実施場所(分野名等) 九州大学大学院医学研究院小児外科学分野 
九州大学病院小児外科、成育外科、小腸移植外科
研究責任者 九州大学病院総合周産期母子医療センター・助教・永田 公二
研究分担者 九州大学病院総合周産期母子医療センター 准教授  松浦俊治
九州大学病院救命救急センター 助教 近藤 琢也
九州大学大学院医学研究院小児外科学分野 大学院生  河野 淳
 
共同研究施設
及び
試料・情報の
提供のみ行う
施設
施設名 / 研究責任者の職名・氏名 役割
①大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科・教授・奥山宏臣
②大阪母子医療センター小児外科・主任部長・臼井規朗
③名古屋大学医学部附属病院新生児科・病院教授・早川昌弘         
④国立成育医療研究センター外科・部長・金森 豊
⑤筑波大学医学医療系小児外科・教授・増本幸二
⑥静岡県立こども病院小児外科・外科系診療部長・漆原直人
⑦順天堂大学医学部附属浦安病院小児外科・先任准教授・岡崎任晴
⑧順天堂大学医学部附属順天堂医院小児外科・小児泌尿生殖器外科・准教授・岡和田 学
⑨神奈川県立こども医療センター新生児科・部長・豊島勝昭
⑩京都府立医科大学大学院小児外科・講師・古川泰三
⑪三重大学医学部附属病院・小児外科・科長・内田恵一
⑫千葉大学医学部附属病院小児外科・講師・照井慶太
①~⑫情報の収集
10.相談窓口について
この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。
 
事務局
(相談窓口)
九州大学病院救命救急センター 近藤 琢也
連絡先:〔TEL〕092-642-5576(内線5576)
        〔FAX〕092-642-5580
メールアドレス:ped-surg@pedsurg.med.kyushu-u.ac.jp
 
 
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