臨床研究

小児小腸バルーン内視鏡に関する実態調査:治療内視鏡・腹部術後内視鏡の有効性と安全性

1.臨床研究について
 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院小児外科では、現在 炎症性腸疾患や大腸ポリポーシスの患者さんを対象として、小児小腸バルーン内視鏡に関する実態調査:治療内視鏡・腹部術後内視鏡の有効性と安全性に関する「臨床研究」を行っています。
 
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2021年10月31日までです。
2.研究の目的や意義について 
 小腸病変に対する検査は、2000年にカプセル内視鏡が、2001年にはバルーン内視鏡が開発され、成人分野では小腸疾患の診断率の向上や治療適応の拡大に寄与しています。ダブルバルーン内視鏡の偶発症の発生率は1.2%であったと報告されました。さらに小児領域でも小腸バルーン内視鏡の有用性が報告されており、手術などを必要としない偶発症発生が5.2%であったと報告されました。このように今後、小児分野にも拡大してくる検査と考えられたため、小児における検査適応や有用性、安全性についての検討が必要となりました。2019年には本邦で多施設共同の研究において小腸バルーン内視鏡の安全性について報告され、96件中2件(2.1%)の有害事象であったと報告されました。今回、小腸バルーン内視鏡の実施調査に加え、治療内視鏡、腹部術後腸管における小腸バルーン内視鏡、小腸バルーン内視鏡実施におけるハイリスク症例についての有効性と安全性を調査することとしました。
3.研究の対象者について
 九州大学病院小児外科において2017年4月1日から2020年3月31日までに小児小腸バルーン内視鏡を受けられた、4名を対象にします。
 
 研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。
4.研究の方法について
 この研究を行う際は、カルテより以下の情報を取得します。
 〔取得する情報〕
・症例:年齢、性別、身体所見、症状、既往歴
・小腸バルーン内視鏡:件数、前処置、鎮静、施行時間、透視時間、治療内容、偶発症
 
 得られた情報は九州大学から順天堂大学へ送られ、順天堂大学にて小児の小腸バルーン内視鏡の実施調査と治療内視鏡・腹部術後腸管における小腸バルーン内視鏡における有効性と安全性について検討します。
 他機関への試料・情報の送付を希望されない場合は、送付を停止いたしますので、ご連絡ください。
5.個人情報の取扱いについて
 研究対象者の情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学分野 教授 加藤聖子の責任の下、厳重な管理を行います。
 ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。
 
 研究対象者の情報を順天堂大学に送付する際には、九州大学にて上記の処理をした後に行いますので、研究対象者を特定できる情報が外部に送られることはありません。
6.試料や情報の保管等について
〔情報について〕
 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、順天堂大学医学部附属順天堂医院小児科・思春期科において、同科・准教授・工藤 孝広の責任の下、また、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野において、九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学分野 教授 加藤聖子の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

 
7.利益相反について
 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は部局等運営費であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
 
 利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。
 
利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)
8.研究に関する情報や個人情報の開示について
 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
 また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。
9.研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所(分野名等) 九州大学大学院医学研究院小児外科分野
九州大学病院小児外科科
研究責任者 九州大学病院小児外科 助教 小幡 聡
研究分担者 九州大学病院小児外科 助教 川久保 尚徳
 
共同研究施設
及び
試料・情報の
提供のみ行う
施設
施設名 / 研究責任者の職名・氏名 役割
①順天堂大学医学部附属順天堂医院小児科・思春期科・准教授 工藤 孝広
 
②日本小児小腸内視鏡検討会世話人施設:80施設
総括・解析・情報の収集
 
情報の収集
 
 
10.相談窓口について 
この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。
 
事務局
(相談窓口)
担当者:九州大学病院小児外科 助教 小幡 聡
連絡先:〔TEL〕092-642-5573
    〔FAX〕092-642-5580
メールアドレス:ped-surg@pedsurg.med.kyushu-u.ac.jp
 
 
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