臨床研究

小児固形腫瘍における診断・治療法・免疫学的機能と予後を検討するための後方視的研究

1.臨床研究について
 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院小児外科では、現在小児固形腫瘍の患者さんを対象として、小児固形腫瘍における診断・治療法・免疫学的機能と予後を検討するための後方視的研究に関する「臨床研究」を行っています。
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2026年6月30日までです。
 
2.研究の目的や意義について 
 小児固形腫瘍は、神経芽腫をはじめとする悪性固形腫瘍の治療が進歩し、その予後は飛躍的に改善してきています。ただ、その希少性において、診断・治療・臨床的な予後予測などは系統的に情報が収集されているとはいえません。希少疾患である小児固形腫瘍に対して、その診断前の症状、診断時に用いた方法、治療法を後方的に検討し、その治療戦略を固形腫瘍ごとにまとめ上げるのは、希少性を加味すると非常に重要な試みであると考えています。また、昨今、腫瘍の増悪と宿主免疫の関係が注目されており、特にNK細胞の活性と腫瘍との関連が疑われています。NK細胞の活性に関わるIL-2、IL-15などの炎症性サイトカインの動向と病理組織学的な所見、小児固形腫瘍患者の予後の関連を検討することで、免疫機能と小児腫瘍との関連を推察することが可能と考えています。
 本研究は九州大学病院小児外科で過去に治療を行った小児固形腫瘍症例のカルテ情報を後方視的に検討します。同時に過去に採取した血液検体からサイトカインを測定し、免疫機能と小児固形腫瘍の関連を検討します。小児固形腫瘍の治療戦略を疾患ごとに検討し、新たなプロコール作成につなげることを目的としています。
3.研究の対象者について
 九州大学病院小児外科において昭和63年1月1日から令和3年6月30日までに治療を行った小児固形腫瘍の患者さん、300名を対象にします。300名の詳しい内訳は、神経芽腫群腫瘍:80例、肝芽腫:30例、肉腫:40例、腎芽腫:40例、血管リンパ管奇形:80例、その他の希少な腫瘍: 40例です。
 研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。
4.研究の方法について
この研究を行う際は、カルテより以下の情報を取得します。
 〔取得する情報〕
 年齢、性別、身長、体重、治療時の年齢
 血液検査結果(白血球、総蛋白、アルブミン、腫瘍マーカー値)
 画像検査所見(CT、MRI、PET-CT、MIBGシンチ)
 最終予後、治療経過、病理組織学的所見
 
 また、残余試料の血清(2ml)を用いて、ELISAにより、IL-2、IL-15、IL-10、TGF-βを測定します。測定結果と取得した情報の関係性を分析し、診断・治療法・サイトカイン値の予後への影響を解明します。
5.個人情報の取扱いについて
 研究対象者の血液、測定結果、カルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学分野・教授・加藤聖子の責任の下、厳重な管理を行います。
 ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。
6.試料や情報の保管等について
〔試料について〕
 この研究において得られた研究対象者の血液は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野において九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学分野・教授・加藤聖子の責任の下、5年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
 
〔情報について〕
 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野において九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学分野・教授・加藤聖子の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
 
 また、この研究で得られた研究対象者の試料や情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。
 
 
7.利益相反について
 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は部局等運営費であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。
 利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)
 
8.研究に関する情報や個人情報の開示について
 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
 また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。
 
9.研究の実施体制について 
この研究は以下の体制で実施します。
 
研究実施場所(分野名等) 九州大学大学院医学研究院小児外科学分野
九州大学病院小児外科
研究責任者 九州大学病院小児外科 助教 川久保尚徳
研究分担者 九州大学大学院医学研究院小児外科学分野 助教 武本淳吉
 
 
10.相談窓口について 
この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。
 
事務局
(相談窓口)
担当者:九州大学病院小児外科 助教 川久保尚徳
連絡先:〔TEL〕092-642-5573(内線7559)
    〔FAX〕092-642-5578
メールアドレス:ped-surg@pedsurg.med.kyushu-u.ac.jp
 
 
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