臨床研究

小児肝移植における脈管再建法と再生グラフト肝偏位に起因した長期合併症に関する後方視的研究

1.臨床研究について
 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。その一つとして、九州大学病院小児外科では、現在肝臓移植を受けた患者さんを対象として、小児肝移植における脈管再建法と再生グラフト肝偏位に起因した長期合併症に関する「臨床研究」を行っています。
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2030年12月31日までです。
2.研究の目的や意義について
 肝臓移植の手術では、言うまでもなく合併症のない血管および胆管の再建が極めて重要です。特に各脈管が細く狭小化している小児に対する肝移植においては、成人に比べて吻合部の閉塞や狭窄などの合併症率が高いとされています。肝臓は再生能力を有する臓器です。小児期に移植されたグラフト肝臓は、成長に伴い適正に大きく再生して行きます。例えば、乳児期に生体肝移植する場合、通常、重量200g前後の外側区域が移植されますが、やがて成人になるころには、1,000g前後と体格に見合ったサイズに再生されます。それに伴い、移植されたグラフト肝の腹腔内での位置は、右側腹部(bare area)に落ち込む形態となりがちです。このグラフト肝の腹腔内におけるローテーションは移植の際に吻合した血管や胆管の捻れを生じる原因となり得ます。長期的にグラフト機能を維持することが、極めて重要となる小児の肝移植において、これらの長期的変化に対応した移植手術法の確立は重要な課題です。
 そこで、今回九州大学病院小児外科では、小児肝移植後、長期的なグラフト肝再生に伴う肝偏位と長期合併症との関連性を後方視的に解析し、その特徴を明らかにするとともに、肝移植手術の際の最適な血管・胆管の再建法について検討することを目的として、本研究を計画しました。本研究を行うことで長期的QOLを見越した小児肝移植手術における血管・胆管再建手技の開発や術後フォローの視点に重要な基礎データとなり、新たな技術開発に繋がる可能性があると考えています。
3.研究の対象者について   -4.研究の方法について
3.研究の対象者について 
 九州大学病院小児外科において1996年10月1日から2025年12月31日までに小児期に肝移植を受けられた方のうち、術後の画像評価を含めたデータ解析が可能な患者さん150名を対象にします。
 研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

4.研究の方法について 
 この研究を行う際は、カルテより以下の情報を取得します。グラフト肝臓の長期的な再生状況と腹腔内における偏位と臨床経過との関連性を網羅的に解析し、その特徴を明らかにします。
 〔取得する情報〕
  疾患名、性別、年齢、臨床所見(症状、身長・体重の推移)、術式、術中所見、術後早期合併症と晩期合併症、血液生化学
  検査所見、各種栄養学的検査結果、画像検査結果、病理学的所見、予後


 〔利用又は提供を開始する予定日〕
   研究許可日以降
5.研究への参加を希望されない場合
 この研究への参加を希望されない方は、下記の相談窓口にご連絡ください。
 なお、研究への参加を希望されなくても、あなたの診断や治療に不利益になることは全くありません。
その場合は、収集された情報は廃棄され、取得した情報もそれ以降はこの研究目的で用いられることはありません。ただし、すでに研究結果が論文などで公表されていた場合には、完全に廃棄できないことがあります。
6.個人情報の取扱いについて
 研究対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野・教授・田尻 達郎の責任の下、厳重な管理を行います。
 ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。
7.試料や情報の保管等について
〔情報について〕
 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野において同分野教授・田尻 達郎の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
 
 しかしながら、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。
8.この研究の費用について   -9.利益相反について
8.この研究の費用について 
 この研究に関する必要な費用は、部局等運営経費でまかなわれます。


9.利益相反について 
 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は部局等運営経費でまかなわれており、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
 利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。
 利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学病院ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)
10.研究に関する情報の開示について   -11.特許権等について
10.研究に関する情報の公開について
 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
 また、この研究では、学会等への発表や論文の投稿により、研究成果の公表を行う予定です。

11.特許権等について
 この研究の結果として、特許権等が生じる可能性がありますが、その権利は九州大学に属し、研究対象者には属しません。また、その特許権等を元にして経済的利益が生じる可能性がありますが、これについても研究対象者に権利はありません。
12.研究を中止する場合について
 研究責任者の判断により、研究を中止しなければならない何らかの事情が発生した場合には、この研究を中止する場合があります。なお、研究中止後もこの研究に関するお問い合わせ等には誠意をもって対応します。
13.研究の実施体制について   -14.相談窓口について
13.研究の実施体制について
 この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所 九州大学病院小児外科
九州大学大学院医学研究院小児外科学分野
研究責任者 九州大学大学院医学研究院小児外科学分野 准教授 松浦 俊治
研究分担者 九州大学大学院医学研究院小児外科学分野 教授 田尻達郎
九州大学病院小児外科 講師 吉丸耕一朗
九州大学大学院医学研究院小児外科学分野 学術研究員 鳥井ヶ原幸博
九州大学大学院医学系学府小児外科学分野 大学院生 前田翔平
九州大学大学院医学系学府小児外科学分野 大学院生 松本匡永

14.相談窓口について 
 この研究に関してご質問や相談等がある場合は、下記担当者までご連絡ください。
事務局
(相談窓口)
担当者:九州大学大学院医学研究院小児外科学分野 准教授 松浦俊治
連絡先:〔TEL〕092-642-5573
    〔FAX〕092-642-5580
メールアドレス:ped-surg@med.kyushu-u.ac.jp
 
【留意事項】
本研究は九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会において審査・承認後、以下の研究機関の長(試料・情報の管理について責任を有する者)の許可のもと、実施するものです。
九州大学病院長 中島 康晴
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