臨床研究

新生児先天性横隔膜ヘルニアの国際共同研究

1.観察研究について
 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。患者さんの生活習慣や検査結果、疾病への治療の効果などの情報を集め、これを詳しく調べて医療の改善につながる新たな知見を発見する研究を「観察研究」といいます。その一つとして、九州大学病院小児外科では、現在、新生児先天性横隔膜ヘルニア(Congenital Diaphragmatic Hernia:以下、CDH)の患者さんを対象として、CDHの治療標準化に関する「観察研究」を行っています。
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2028年2月28日までです。
2.研究の目的や意義について
 この研究の目的は、全世界のCDHの治療成績を把握したうえで、重症度に沿った治療指針を作成することです。九州大学病院で治療をおこなったCDHの患者さんのカルテ情報を米国Texas大学に送付した後に、世界中のCDHの患者さんの診療情報を取得します。希少性の高いCDHという疾患において、世界規模の症例数を確保することには大きな意義があります。
3.研究の対象者について 
 九州大学病院小児外科にCDHで入院されていた患者さんで、診療の際に入院による治療や手術を必要とした78名を対象とさせていただきます。
 この研究では、下記の先行研究に参加した方の診療情報を解析に利用させていただく予定です。
[使用する情報]
許可番号:2020-759
課題名:新生児横隔膜ヘルニアの治療標準化に関する研究
許可期間:2017年5月11日~2026年 2月 28日
本研究に使用する試料・情報の取得期間:2011年1月1日~2021年12月31日
 
研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。
4.研究の方法について
 2011年1月1日から2021年12月31日までの間に出生し、CDHと診断された方を対象として、調査に応諾の得られた施設から診療録に基づいて臨床データを収集します。データを解析した上で、重症度別の治療指針を策定します。
 
 [取得する情報]
  別紙参照
 
 大阪大学の情報データベースREDCapに連結匿名化されて送られた情報は、いったん大阪大学のREDCapサーバー内に送られた後、九州大学へ返却されます。これらのデータを英訳した後に世界最大のデータベースである米国テキサス大学のCDH Study Groupへと転送します。テキサス大学小児外科へ送付した研究対象者の情報はweb上で他国の研究対象者の情報と統合され、より大規模なデータとなって本邦の研究代表者へと送付され、詳しい情報解析を行う予定です。
 
他機関への情報の送付を希望されない場合は、送付を停止いたしますので、ご連絡ください。
5.個人情報の取扱いについて 
 研究対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野・教授・田尻達郎の責任の下、厳重な管理を行います。
ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。
 
研究対象者のカルテの情報を大阪大学大学院小児成育外科・テキサス大学小児外科へ情報提供する際には、九州大学にて上記の処理をした後に行いますので、研究対象者を特定できる情報が外部に送られることはありません。
6.試料や情報の保管等について研究期間
〔試料について〕該当なし
〔情報について〕
 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院小児外科学分野において同分野教授・田尻達郎の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
 また、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。
7.利益相反について
 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は部局等運営費および厚労省科研費であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
 利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。
 利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学病院ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)
8.研究に関する情報や個人情報の開示について
 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
 また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。
9. 研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所 九州大学病院小児外科
九州大学大学院医学研究院小児外科学分野
研究責任者 九州大学病院総合周産期母子医療センター 講師 永田公二
研究分担者 九州大学大学院医学研究院難治性慢性消化器疾患共同研究部門 助教 近藤 琢也
九州大学病院小児外科 助教 福田篤久
共同研究機関等 機関名 / 研究責任者の職・氏名 役割
①大阪大学大学院医学系研究科小児外科・教授・奥山宏臣
②大阪母子医療センター・小児外科・副院長・臼井規朗
③筑波大学医学医療系小児外科・教授・増本幸二 
④国立成育医療研究センター外科・部長・金森 豊同・新生児科・医長・丸山秀彦
静岡県立こども病院小児外科・医長・矢本真也
⑥名古屋大学医学部附属病院新生児科・病院准教授・佐藤義朗
⑦兵庫県立こども病院小児外科・科長・横井暁子
⑧順天堂大学医学部附属浦安病院小児外科・教授・岡崎任晴
⑨順天堂大学医学部附属順天堂医院小児外科・小児泌尿生殖器外科・准教授・澁谷聡一
⑩神奈川県立こども医療センター新生児科・部長・豊島勝昭
⑪京都府立医科大学大学院小児外科・助教・金聖和
⑫三重大学病院・消化管・小児外科・講師・小池勇樹
⑬千葉大学医学部附属病院小児外科・准教授・照井慶太
⑭The University of Texas McGovern Medical School, Department of Pediatric Surgery, and Children’s Memorial Hermann Hospital, Houston, TX・Associate Professor・Matthew T. Harting
①~⑬データ入力・解析
 
⑭研究統括
10.相談窓口について
この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。
 
事務局
(相談窓口)
 担当者:
九州大学病院総合周産期母子医療センター 
講師 永田 公二
連絡先:〔TEL〕092-642-5573(内線5573)
      〔FAX〕092-642-5580
メールアドレス:ped-surg@med.kyushu-u.ac.jp
 
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